ストロー笛② リコーダー
タピオカストローに穴を開けて片端を塞ぐと横笛に。
さらに紙ストローのウィンドウェイをつけて簡単に吹ける縦笛/リコーダーの作り方解説。
穴の位置、大きさはストロー笛の作り方①の横笛と同じ。
歌口に直接息を吹き込むのではなく、紙ストロー(直径6 mm)を固定することで安定した位置に息を当てて音を出します。
↑タピオカストローに歌口用の穴をあけた状態(側面図)
↑紙ストローをのせるために歌口の頭側(左側)上部をカット(断面図、側面図)
↑ベージュが消しゴム
消しゴムは紙ストローの支えになるようストローの縁で半月状にカット
紙ストローが黒線、タピオカストローがピンク
紙ストローは先端を下図↓のようにつぶします。
プラスチックストローだとここがいい感じに半開きにならない。
紙ストローをタピオカストローの上にのせてセロテープで固定。
先端の位置は歌口の真ん中あたり。
紙ストローの中心にタピオカストローの穴の縁が見えるとよいです。
というか音が良く出る場所でとめます。
大した作業ではないですが消しゴムをストローにフィットするようにカットするのとかちょっと面倒。
こっちは解体してしまった試作品。
紙ストローを内側から突っ込んで紙クズとテープで適当に固定しています。
見た目がきたないかと思って作り直したけど適当にとめたこっちの方が良い音が出ていた気がする…
どちらの方法でも完成すればリコーダーのように指の練習だけでメロディが吹けます。
↓作り方と演奏例動画(リコーダー演奏は2分30秒あたりから)
ストロー笛のリコーダーでローレライ、虫の楽隊、野なかの薔薇。
ストロー笛の作り方①横笛
百均のタピオカストロー(と紙ストロー)で横笛とリコーダーを作ってみました。
歌口が小さいので横笛を吹くには少し練習が必要です。
音域は2オクターブくらい。
↓演奏例 「夏は来ぬ」「汽車」滝廉太郎の「花」
横笛の作り方】
①タピオカストローにカッターで穴を開ける。
②消しゴムで頭に栓をする。
歌口1つと指穴7つをあけます。
指穴に歌口から①-⑦の番号をふりました。
穴の大きさは
歌口約8mm
指穴①5mm ②5mm ③5mm ④4mm ⑤6mm ⑥4mm ⑦3mm
次に穴の位置ですが
穴の中心から管尻(ストローの端)までの距離で示すと
歌口が200mm
指穴①116mm ②102mm ③88mm ④72mm ⑤60mm ⑥45mm ⑦22mm
ハンドメイドなので多少のズレやゆがみは仕方なし…
指穴が歌口側にズレると高音、管尻側によると低音になります。
マスキングテープに設計図を下書きしてストローに貼ってから穴を切りぬくと楽です。
歌口の外側に反射板として約5mmにスライスした消しゴムの栓を入れます。
ぐぐっとストローの端を押し当てるとピッタリの消しゴムが型抜きできます。
穴を開けた後のストローでやるとストローが歪んでしまうので注意。
消しゴムはただはめるだけでOKですが
消しゴムの栓が歪んだりゆるかったりする時は木工ボンドで隙間をふさいでもよいです。
今回使用したタピオカストローは直径12mm 長さ21cmのものですが、直径が多少違っても同じ設計図でほぼ大丈夫です。ストローが細くなる場合は穴を小さくしますが、穴の歌口側の位置を変えないようにします。
ストローが細くなると音は全体に高くなります。
紙やプラスチックストローは細いと穴をあけるのがまず難しくて音を出すのも難しくなるので、ある程度太さのあるストローがおすすめです。
運指は篠笛式
●がふさぐ穴、○が開ける穴
※音を出すコツ
音階は2オクターブと書いたけど上手い人ならもっと出るかも
小さい笛を作っている時に最初は
「音が出ない笛を作ってしまった…」
と思ったけどいじってるうちに
「これシとラとソしか出ない笛だ…」
になり
「まあまあ音が出る笛だった」
というパターンを繰り返しています。
限度を超えて小さくなると音を出しても超音波に、大きくなると低周波音なるんだと思いますがその間の大きさなら笛の形をしてれば音は出ると信じて練習すれば出るようになる。きっと。
小さい穴に息を安定してぶつけるのが難しいのでちょうど良い位置につぶした紙ストローでエアウェイを作る(リコーダー)と楽に音が鳴ります。
フルート/篠笛練習 弱音器(ミュート、防音器)を作る
横笛(フルート・篠笛)用の弱音器を作ってみました。
フルートの音は意外と大きく、習いはじめた頃は練習場所に悩みました。
今はヤマハの室内用防音室(アビテックス)を持っていますが、もっと気軽にだらだらソファの上とかで練習したい。
現代フルートの前身、バロック期に使われていた木製のフルート・トラヴェルソは今よりもずっと音量が小さかったそうです。
歌口も指穴も小さいために出入りする空気量も少なく、自然音は小さくなると。
コンサートホールのような大会場ではなく室内での演奏に適した楽器でした。
つまり、歌口を小さくすると音量が下げられるという理屈。
革で歌口を覆って穴を小さくしたら、確かに音量は下がりました。
弱音器を付けた篠笛で童謡のかなりや、フルートでカチューシャの唄を演奏して比較↓
現代フルートとフルート・トラヴェルソはまるで違う楽器、と言われるように「同じように吹いて音が小さくなる」わけではなく最初は音を出すのに苦労しました。
歌口の大きさを直径約3.8 mm(#200のハトメ、使ったハトメ抜きは3.6 mm)にまで小さくすると、防音室の外で演奏しても許される程度の音量になります。
音が小さくなっても、なんというかしっかり共鳴して響く感覚があるので、篠笛では弱音器なしで思い切り吹くのに劣らず気持ちの良い吹奏感が得られます。
使用する息は少なくなるので疲れにくい。
フルートはサイズの差が篠笛より大きいせいなのか、小さい穴で吹くのは篠笛より難しい。リッププレートの高さが邪魔なのかも?
どちらも音が低めになる、音域が狭くなるという変化があります。
アンブシュアが変わるという点、篠笛ノーマル→篠笛歌口サイズ約6.5 mm(#500のハトメ)弱音器の変化はフルートから篠笛に持ち替えた時くらいの変化に感じました。
3.8 mmは最初は全然音が出なかったのが2-3ヶ月いじってたらなんだか鳴るようになりました。フルートではまだ上手く音が出せない…
弱音器でなかなかやっと音が出るようになったかと思うところでノーマルに戻すと普通に吹けなくなってて焦ります。
なので大事な演奏の予定がある前は避けた方が良いかと思われますが、あれこれしているうちにいつもの笛の音色もだんだん良くなる練習効果がある。という気がします。
一昨年篠笛を始めた時にはかすれて出にくかった、一の音に苦労しなくなりました。
6.5 mmだとまだ少し音が大きいので、防音室の外では3.8 mmの弱音器をつけた篠笛を主に使っています。
弱音器をつけたフルートは篠笛と比べると吹きにくさを感じるけれど、フルートをはじめたばかりの頃、家では指の練習しか出来なかった自分には教えてあげたい。
【材料】
ハトメリング #200(内径約3.6mm) #500(内径約6.5 mm)
革の端切れ
【道具】
ハトメ打ちと打ち皿
ハトメ抜き
ハンマー
ハサミ(カッター)
【作り方】
1. 革の端切れを笛の歌口を覆えるサイズにカット
2. 革にハトメ抜きで穴を開ける
3. ハトメ打ちとハトメ皿でハトメリングをつける
出来上がり
笛に装着。両面テープかマスキングテープで簡単につけ外しできます。
海辺で拾う石笛(磐笛)、自然が作った石のオカリナ
石笛がたくさん落ちている浜辺があると聞いて、千葉の海に行ってきました。
房総半島の東側、鴨川近くの浜辺。
石笛とは。
磐笛(いわぶえ)とも言います。
ニオ貝やカモメ貝といった、岩の中に住む穿孔貝の仲間が孔を開けた石が、笛になります。
こんな岩が砕けたのが
こんな石に。中には貝殻が残っています。
石笛は神を呼ぶとも言われ、神社に奉納されてる石笛はむやみに練習してはならないのだとか。
拾った石で練習たくさん練習してしまったけれど、海辺で一人で吹くのはちょっとこわいような気持ちになります。
尺八やケーナのように穴の縁に息を吹き込んで空気を振動させるエアリード楽器です。
フルートをやっている人もたぶん鳴らしやすい。
↑適度な大きさと深さで音が出しやすい。これも中に貝殻が残っています。
ニオ(鳰)ガイ、カモメ(鴎)貝、いずれも貝殻の形を海鳥の翼に例えているそうで、中程がふくらんだ形で穴の入り口より大きいので引っ張っても出てきません。
↑うまいこと音を維持しながら唇をスライドさせるとハーモニカ気分に。
笛っぽい形だと思って拾ったらこちらはなかなか優れものな石でした。
9つの穴のうち6つの穴が内部でつながっていて、穴を押さえたり開けたりで音階を変えられます。ドからラまで6音階、チューリップとか簡単な曲が吹ける!
自然が作った石のオカリナです。
このオカリナ石のような白っぽい石はシルト質の泥岩で、とても脆く落としただけで割れてしまいます。
細かく砕かれた石は粘土のようです。
粘土なので、焼くと土器になります。
土器の焼成温度は600〜900℃
窯を使わない野焼き、焚き火の温度です。
家庭の魚焼き器はかなり高温になるけど300-450℃でちょっと足りない。
バーベキューの炭火に埋めたり七輪を使ったりして作る人もいるようです。
今回は七宝用の小型電気炉810℃で焼いてみました。石はよく乾燥させます。
いきなり加熱した炉にいれたら一個爆発してしまいました。
今度は最初から炉内に石を入れて温度を上げていきます。
700℃になる前に、なんだか炉内でプツプツ泡が破裂するような音が聞こえてきたので一度蓋をあけて温度を下げ、音が消えてからまた加温。
割れずにできた土笛色々。
石を焼くと土器になるという神秘。
焼成時間は15分くらいです。
オカリナも焼いてしまった。
電源を切り忘れて数時間以上焼いたらかなり濃い赤色に。
でもこれは焼く前の方がかわいかったかなとちょっと後悔しました。
縮んで歌口がシャープになったので音は少し出しやすくなりました。
陶芸用の電気炉でさらに高温で焼いたら陶器の笛に変わるのか、いつかやってみたい。
たまご笛3 卵のオカリナでさんぽ(となりのトトロ)、恋するニワトリ(谷川浩子)演奏
たまごの殻で作るオカリナ。
指穴を9つに増やして吹ける曲が増えました。
音域はドレミファソラシドレ まで。
6穴のたまご笛と比べて音域が広がり、高音域で右手の小指を開けないようにしたので安定性も改善。
使用したたまごの重さ(中身を抜く前)は67g。
設計図はこちら。
真ん中の6㎜穴は歌口。● 穴閉鎖 ○穴開放 です。
開放する穴が増えるほど高い音がでます。
たまごが小さいとピッチが高くなるので穴は小さめに、たまごが大きいと低くなるので穴は大きくすると良いはず。
半音は穴を半分ふさいで出しますが、ソ♯やシ♭は指穴が大きいので出しやすくド♯なんかは難しい。
運指は自分が覚えやすいように篠笛のものに似せています。
たまご笛2 たまごで作るオカリナ/作り方・設計図
たまご笛に指穴を開けてオカリナにしてみました。
開けた穴の面積が大きいほど音が高くなります。
材料 ニワトリのたまご
道具 画鋲、精密丸ヤスリ、ストロー、テープ
1. たまごに穴を開ける
画鋲を表面に垂直に当てて穴を開けます。
1つ目の穴は歌口(ストローを当てる穴)、2つ目は歌口の後ろ(目立たない程度に小さな穴か、後でテープでふさぐ)または指穴のどれかの位置。
2. 精密やヤスリで歌口を3-5㎜に広げ、もう1つの穴から空気を吹き込んで中身を出す。
3. 持ちやすい位置に指穴を開ける。
4. 歌口に先を潰したストローをテープで固定し、調律しながら指穴を広げていく。
グラフの青い点、卵3で作ったオカリナの設計図。
出来上がり
材料の卵3は58g(中身を抜く前)
グラフの卵4(オレンジの点)は67g。卵3の方が高い音になるはずなのにグラフの前半が一致しているのは、卵3のデータ取る時にピッチを高めに吹いてしまったようです。
出来上がったら卵4の方が安定して音が出しやすいので、この設計図を用いるなら大きめの卵にした方が良いようです。
穴を6つふさぐとド、1つ開けると1音上がり、すべて開けるとラの音が出ます。
運指が単純なので覚えやすい。
ラの音を出すのに穴を6つ開けると持ち手が不安定になって早い運指が難しいのが欠点。
チューリップとかキラキラ星とか演奏できます。
穴開けに失敗してしまったらミニ植木鉢に。
たまご笛1
卵のカラで笛を作ってみました。
ガラス瓶に息を吹き込んで音を出すのと同じような原理。
穴が小さいので口で吹くのはちょっとコツが必要ですが、ストローの先をつぶして穴にあてると簡単に音が出ます。
作り方
1. 卵を洗う
2. 穴を開ける
卵の表面はつるつるして滑るので、開けたい場所にマスキングテープを貼ります。
その上で先の尖ったヤスリや画鋲をクルクルまわすと穴が開きます。
3. もう一つ穴を開けてそこから空気を吹き込むと、卵の中身が出てきます。
下の動画ではかなり小さい穴で出しているのでいきんで頑張ってます。
穴を大きめにすると簡単に出ます。
4. 殻を洗う。
5. 穴を広げる
きれいな穴を開けたいなら精密丸ヤスリを使うのがおすすめ
6. 穴の縁に先を潰したストローをテープで固定
Mサイズの卵をそのまま吹くとドからレの音が鳴ります。
低い音を出したい時は、大きな卵を使います。
高い音を出したい時は、卵の中に水を入れて容積を小さくします。
卵の容積(空気)と音の高さ(周波数)の関係はこんな感じ。
1人でエーデルワイスを吹こうとしたけど編集の途中で力尽きた。
子どもたちに1人一音担当させてハンドベルのように演奏したらきっとかわいい。